top of page
  • Momoyo

コスプレなのか

なぜ、クラシック演奏家は

本番に黒を着るのか?


ピアノが黒いからなあ?

そんな意味不明な理由で、

自分たちも黒、と

私は理解していました。


でもオルガニストは、

茶色の木目の服を着て、

カメレオン的に

主役を楽器に譲るかというと、

そんなことを思いつく人すら、

いないようです。


ロンドンの王立音楽院の

授業で合唱の本番の日、

イギリス人のみんなが

「黒のロングドレス着るんだよ」

と教えてくれたので、

私は初めてローラ・アシュレーで

黒いコットン一番シンプルな

フルレングスのワンピースを買いました。


そのあと、本番だよ、

と言われたらいくらでも

引っ張り出して着ることができたので、

実にベルギーに来てからも

着ているという利便さです。


だからどの国に行っても、

黒で長いのを着ておけば、

本番に出られることを

「仕事着なんだ」と思っていました。


普段の自分じゃなくなる、

そうした世界に入り込む、

ちょっとしたストーリー性をはらんだ

黒いロングドレス。


オルガニストは目立たないところで、

ペダルも演奏するので、

もう少し控えめな感じの衣装になりますが、

それでも黒は黒です。


昨日のブログでも話した

「美しい着物」

という雑誌には、

お筝の先生で人間国宝の方の

本番服が出ているというので、

それで私はどうしても

見てみたくてその雑誌を

生まれて初めて買ってみた、というわけです。


そしたら、その先生は、

本番は黒留袖、とおっしゃるじゃありませんか!

あの有名な、持っていたって着る機会なんかない、

と皆さんが口々におっしゃっている、

前にも後ろにも白く紋が抜いてある、

あの素晴らしく黒い着物のことです!


あの黒さはまた、黒衣装のプロである(?)

私の目にも、怪しいほどの黒さであります。

どうしても実際に見て、触ってみたい、

という気持ちを抑え切れないほどの、

なんと深く、ねっとりとした、

真っ黒さ。


夏頃に、リサイクル着物のサイトで、

黒留袖の絵柄を一枚一枚拡大して眺め、

美術館みたいだな、と楽しんでいたとき、

そのことを母に伝えると

「あのね!黒留は買っちゃダメよ!」

とダメ出しをされてしまった、

しかし言われたら余計欲しくなる、

そんな憧れの黒留袖!


人間国宝の先生は、

「裾にはこんなに美しい柄があるのに、

正座で弾くから本番では見えなくて

残念なんですよ」

と実に人間的なコメントを

書いていらっしゃって、

私は「ほほー。」と、

ため息をつきました。


ピアノの前で、黒留袖を着てみたいな。

と私が思ったと言ったら、皆さんは

「なんだよ、コスプレみたい!」

と笑うでしょうか?


桃代















閲覧数:18回0件のコメント

最新記事

すべて表示

逆説

bottom of page