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  • 執筆者の写真Momoyo

メークのこと


昨年の1月、激寒のローマへ行き美しすぎる色彩と形状に目を洗われ、ブリュッセルに帰って自分の顔を鏡で見たら目から鱗というか夢から覚めたというか、「よし!お化粧をしよう」と、お財布を握ってデパートに向かったことはお話ししたと思います(いつかのブログの追記にて)。

それ以前に行っていた美容行為とは、私の場合、石鹸で洗顔後スクワランオイルを一滴顔に伸ばして、時間のある日はハーバーのコンパクトでファンデをパパッと塗布し、150円ぐらいのアイブロウペンシル(少なくとも5年持つ)で眉を描く。夜は石鹸で洗顔後スクワランオイルを一滴塗って就寝。以上。でした。口紅を一本とマスカラを一本だけ持っていて、演奏会の日はつけるかつけないか、五分五分だなあ。。。というぐらい。今から考えると衝撃なのは、鏡を持ったことがなかったことか。

2017年に美容ユーチューブをお手本に自分向けに勉強したやり方をワンフレーズで言うと、下地には手を抜かず、リキッドファンデは3滴ほどを極薄に塗り、濡れスポンジで超過分を取り除き、アイシャドウは長時間変化しない(色とテクスチャーが)ものをシワを避けて的確に塗り(これ大事!)頬紅と口紅は釣り合うように少しだけ塗り、ビューラーでまつげをあげたら上だけ少しだけマスカラを塗って最後の締めにペンシルとパウダーで眉を描き、ミストを全体が落ちないように吹きかけて乾かしたら気になるところにカラーレスな粉を筆で乗せて終わり。

書くだけでも、5分ぐらいかかるこれによって、

ナチュラルなお化粧を、

つまり、

化粧していないように見える化粧を、

、、、、なんてご苦労なこった。

でも、今は楽しいから別に良い、と自分では思っています。

自分がロンドンにいた学生時代には、高校から全くノーメークな陸上部員生活だったことの延長で、せっかくビューティーな英国の首都に住んでいたのに何も考えずに暮らしていたことを思うと、50を目前にして化粧の仕方を学んだことはあまりにも遅いと言うか、ギリギリセーフというか。

現在、家にいる20歳女子である娘は、16ぐらいから少しずつ化粧をするようになって、20の時点で化粧は私より上手だった。ところが、この冬、一気にノーファンデの眉だけ書きましたメークに!一体どうしたのか訊いてみると、これからアムステルダムの学生オーケストラの合宿に行き2週間でプロコフィエフのピアノ協奏曲3番を含む「本物のコンサート」を6回弾かなければならない人生が始まるので「ヘラヘラおしゃれしていられない」から3分でできるやり方を研究中、ということでした。

昔の、何も知らなくてノーメークだった20歳の自分と、結果としてはほぼ同じかー、と、なんだか可笑しくなりました。

今年はお化粧品は必要なものだけあればいいかな、、、と言うぐらい、ほとぼりは冷めましたが、一年に買って使い切った化粧品はどれも美しく可愛くて素晴らしくて、こんな時代にお化粧が好きになるのは当然なんじゃないかと自分では思うのでした。この先あまりにも新作が発表されすぎて使いきれない量の化粧品が欲しくなることは避けたいので、昨年購入した口紅と色付きのリップクリームを昨日全部並べて見て、ベージュから赤へ、色鉛筆のように並べて見ました。全部でちょうど20本あった中で、ベージュからピーチまでが7つでピンクから赤までが13ありました。中には5ユーロの色付きリップもあるのですがYSLは36ユーロだったかと思います。なぜ今日ここでこれを書いているかと言うと、

さすがに、多いでしょ!

と、自分に呆れてしまったことを、ちゃんと書きとめておきたかったから。

そしてのちに2017年はどうしてこんなにお化粧が楽しかったのであろうか、と振り返りたくもある。

ほぼ素顔、なペコちゃん顔(インスタグラムを見てくれた方は見たであろう。。。)でセミプロな学生オケに挑む20歳の娘と、自分の人生では最も「作り込んだ」ナチュラルメークで50歳の背水の陣に向かう母(っていうのは大げさか。。。)。

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*2017年ベストコスメ!*

、、、というのを、ユーチューブではみんな発表するのですが、見ているとたいていの人が似たようなものをあげているのに対し、私が師匠と思っている関根理沙さんは、ちゃんと「化粧ミストが今年はすごい発見だった」と述べていて、私もミストが自分のベストコスメだっ!と勝手に思っていたので働く人間としてとっても共感できた。それ以外だと、ちょこっとだけ使いたいのに、ど近眼の肉眼で塗らなきゃいけなくて精密すぎて無理すぎる、という毎朝の悲痛な思いを軽減してくれた、ペンタイプのアイシャドウには感謝してもしきれないです。というわけでマックの化粧ミストと、ローラメルシエのキャヴィアー・スティック・アイカラーのグレーパール(ごめんなさい間違えていて訂正しました!)。あと、写真の真ん中辺の銀色の方、イヴ・サン・ローランのヴォリュプテ・ティント・イン・バーム(仏語かと思いきや英語)の一番。ベージュだけど、唇のPhで色が変わる。面白くて美味しい(マンゴーの香り)。この三つが、私の2017年のベストコスメでした!

(写真の一番左にあるのは、転がり防止に置いた、440Hzの音叉です。。。さらに、なぜ右端のディオール・アディクトの680番と967番が揃っていないかというと、仲良くしたがらないというか、ふた部分に磁石が仕込まれているので、並べても並べてもぴょこんと互い違いになってしまうんだなこれが。この2本は2016年末に購入したのであと1年の寿命。右から3本目のようにほとんど机と同化している、こげ茶の小さい三つの口紅は、ローラ・メルシエのコフレ・ミニヴァージョンで、一個あたりの重量が14gしかないところに惚れ込んで、持ち歩き用ポーチメンバーとして購入したものです。ちなみにディオールは41g、サン・ローランは38gだ。君たちの金属のために私は大枚をはたいたのかね。)


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