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  • 執筆者の写真Momoyo

音の名前

7歳の、オルガン初心者の子供に、

鍵盤の黒鍵に当たる、

シャープとフラットを教えた。


ソルフェージュの授業では、

シャープが出てくると

耳で聞いた音が「歪む」感じは

みんな持っている。

でも、「半音上がる」と

理論的に考えて、

鍵盤でここ、という具合に、

すべての情報をつなげて、

鍵盤で音を見つけられる子は少ない。


ファを弾いた後で、

鍵盤では右に一つ行くと

「半音上がる」から、

ファのシャープを弾き、


ソを弾いた後で、

鍵盤では左に一つ行くと

「半音下がる」から、

ソのフラットを弾いて、


ファのシャープと

ソのフラットは

「同じ音だね」

「同じ音に名前が二つあるね」

そういう風に少しずつ理解していく。


ところがその7歳の子は、

「だけど、今こうやって弾いたこの音が

ファのシャープ、ソのフラットのどちらなのか、

どうすればわかるのですか」

と訊いた。これは、なかなか

訊かれない質問なので、

私はおお!と思った。


相手のあどけない顔を

見ていると、なぜか、今まで

したことのない説明をしたくなって、

「ソラシドレミファ#ソって弾いたとき、

弾かなかった白鍵はなに?」

「ファ!」

「でしょ!だからこの音はソbじゃなくて

ファ#なんだよ!だってソは使っちゃってるもの!」

「そっか!わかった!」


そこでわかった!と言ってくれたことは、

作曲の基本の考えにつながる。

クラシックをやっていると

そうではない、と言う道には行かない。

「ソラシドレミソb ソ♮」

でもいいじゃん、

と言われたら、

「あんたそれじゃ6音音階に

なるよ!大変だよそれは!」

とちゃんと脅せたか、

わからない。

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